以前、前作カーボンモアレも幸いイルドゥオモさんで購入できたのでその比較も踏まえます。
形状はほとんど同じですが、きちんと進化しています。
カーボンの流れがモアレは横方向が多かったのに対し、縦方向も増えて、ランダムで有機的な印象が強まり、光の反射をより楽しめるようになりました。
また軸の手触りもよりシルキーになり、さらさらと心地良く、カーボンらしさが出ています。
吸入機構はヴィスコンティお馴染みのものですが、ホモ・サピエンスブロンズなどよりもネジ山まわりが扱いやすくなっており、更にアビスはモアレよりもスムーズに動作します。
またインク窓がある点も実用性を高めています。
キャップはモアレよりも数ミリ短くなっており、クリップの幅も細くなっています。
チタンからエルガルへと素材変更した上でなので、全体的に軽量化されています。
(モアレはインク抜きで39.6g、アビスはインクを入れて34.4g)
またクリップがモアレでは角ばっていて地味に痛かったのですが、アビスでは面取りされていて快適になりました。
他のホモ・サピエンスシリーズとの比較で好みが分かれるのは、フックセーフロックを採用していない点です。
マグネティックロックは気軽に使え、メンテが容易な反面、気密性は劣ります。
またフックセーフロック特有の開閉感の楽しさは唯一無二です。
総評して、ただの色違いに留まらずに実用性もデザイン性も進化した、ヴィスコンティの誠実さを感じさせる一本です。
値段こそ張りますが、その価値はあると私は感じました。
今年一番のお気に入りの万年筆です。