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• 重いのが好き 様
• 投稿日：2022年10月25日

普段はセルロイドのものはあまり買わないのですが、重厚感のある吸入機構や未体験のマジックフレックスが気になっていました。
ASCの万年筆は初めてで、重量表記もなかったのでLINEで問い合わせたところ調べて下さり、46gくらいはありそうだと分かったので買ってみることに。

まず見た目に関して。
深い青に黒の筋、ところどころ光を受けて輝く青が海を思わせる美しいセルロイドだと思います。
053/100という限定数故のロットが彫られているのも良いです。
ペン先の彫刻も比較的シンプルながらも、無骨すぎず良い塩梅です。
あと三角形の断面で勝手に転がらないのは地味に便利です。

次に筆記に関して。
まず重量面ですが、私が計ったところインクを吸入した状態で48gでしたが、そもそもキャップポストはできないので、筆記時は37g程。
ポストしない分バランスは手全体に分散しているので、そこまで重さは感じません（個人的にはもう少し欲しいですが）。
字幅はMしかありませんがマジックフレックスで、筆圧をかければ更に太く書ける……と思っていたのですが、全く変わらないわけではないものの、筆圧が弱いからかそこまでの差は感じませんでした。
どちらかというとペン先が開くことでフローが多くなった分、濃い文字が書けるといった印象です。
書き心地そのものとしては、フローも良く書き味も滑らかで、28mm程の大きなペン先がマジックフレックスなだけあって紙にあたる感触もかなり柔らかいです。
個人的にはこのカリカリしない、でも書いている感じも損なわない書き味は好みでした。

いくつかの難点に関して。
吸入機構の関係なのか、キャップをして安置しているだけでも気づくとペン先にインクが出てきていることがあります。
更にキャップの中はクリップの付け根と貫通しているようで、持ち運んでいるとそこからキャップ内に広がったインクが漏れてくることがありました。
また首軸のセルロイドと金属部の継ぎ目にインクが溜まりやすいのか、内から漏れているのかはわかりませんが、丁度手でもつ部分のため手が汚れやすいです。
キャップポスト出来ないことと相まって、外に持ち出しづらいというのが正直な所です。

全体として、デザインに優れており書き味も素晴らしいですが、一部の点によって家用にならざるを得ないのが惜しいペンという感じです。
家でゆっくりと書き物をするときに用いたいと思います。